企(とも)
声楽・ピアノ
企オリジナルの楽曲と、日本の童謡の企アレンジ作品を集めたコンサートを、メンバーによるラジオテイストでお送りします。
企として楽曲制作やアレンジを行いたいと思うようになったのも、この数ヶ月の社会状況の変化によって、私たちの創造意欲が掻き立てられたからでした。
オリジナル楽曲の作詩は鏑木と田村が担当し、initium ; auditoriumのキーワードである「遷」をテーマにしています。作曲とアレンジは渡辺が担当し、声の多重録音の他、ピアノの多重録音や内部奏法などを行っています。(渡辺研一郎)
【繋ぐ】(作詩:田村幸代 作曲:渡辺研一郎)
移りゆく波の先
どこへ行こうか
輻輳する道の果て
何を描こうか
置き去りにした
あえかな夢を
私の中の
たしかな現実(いま)を
喜んだり
悲しんだり
楽しんだり
悩んだり
怒って
笑って
忘れたこともあるけれど
私が紡いだひとときと
あなたが紡いだひとときは
きっと繋がっている
未来へ繋がっていく
変わらない空の下
どこへ行こうか
繰り返す日々の向こう
何を描こうか
想いを馳せた
まだ見ぬ朝を
私の中の
微かな声を
喜んだり
悲しんだり
楽しんだり
悩んだり
怒って
笑って
忘れたこともあるけれど
私が紡いだひとときと
あなたが紡いだひとときは
きっと繋がっている
未来へ繋がっていく
―――
今回オリジナルの作品を作るにあたり、当初initium ; auditoriumのテーマである「遷」をイメージした曲を作ってみようかとメンバー内で話し合っていたのですが、私が「遷」という言葉を聞いて思い浮かんだのは、波が揺れる水面にただ浮かんでいる自分でした。
「この先どこに向かえば良いのだろう?」「何を思い描きながら生きていこうか?」という様々な葛藤…そんな揺れ動く自分の素直な気持ちを詩に書こうと思い、出来上がったのがこの『繋ぐ』という作品です。
今でも様々な事情で苦しんでいる人や、取り残された気持ちを感じている人も多くいらっしゃるかと思いますが、これまでの人生も含めてそれはどこかへと”繋がっていく”、“繋がれていく“ものだと思っています。
ある意味それは嬉しかったり悩ましかったり色んな感情を含んでいると思いますが、そんなことも含めて少し肩の力を抜いてこれからも歩んでいけるような曲に渡辺くんが仕上げてくれました。
是非ゆったりと気楽に聴いてみて頂けたら幸いです。(田村幸代)
―――
さっちょの詩を受け取って目を通した時、「真面目!」という印象でした。本人の性格をそのまま反映しているような。コロナ禍の自分を真剣に見つめ、深刻に悩んでしまっているようにさえ思えました。
思わず出てしまった笑い声、街を歩きながらの鼻歌、に感じられるような、何気ないところにあるリアリティ。であればこの詩も、何気ない音楽によってリアリティを保ちたいと思いました。同時に、物事を真剣に見つめている人への応援ソングにもなったら、と思いました。(渡辺研一郎)
(歌:田村幸代 ピアノ:渡辺研一郎 コーラス:鏑木綾・渡辺研一郎)
【眠れぬ夜に】(作詩:鏑木綾 作曲:渡辺研一郎)
仄かな明かりを残して
瞼を閉じてみるけれど
昨日の続きが終わらない
夢を見ることもなく
夜が更けていく
静かな部屋のなかで
呼吸を何度か繰り返し
昨日をひとり続けてく
夢を見ることもなく
夜が明けてくる
冷たく澄んだ空気と
小鳥たちの鳴き声が
今日の始まりを告げる
夢を見ることもなく
朝がやってきた
―――
何か生産性のあることができるわけでもなく、時間だけが過ぎて一夜を明かしてしまった時のことを書き留めてみました。みなさんにもこんな夜がありませんか?この心情と情景を渡辺くんが音で描いてくれました。心も耳も委ねて聴いてみてください。(鏑木綾)
―――
かぶさんの詩が描写する静謐な夜から朝への移り変わり。その渦中にある、決して静謐ではないであろう人について、音楽で表せたらと思いました。雑然とした脳内、浮き立つ心、ひとりの貴さという側面、時間経過の非情とそれに対する焦燥。詩の一読み手としてのこれらの印象は、作詩者のそれとは違っているかもしれません。
誰にでもありそうな世界ですが、音楽は少し誇張されています。日常と非日常の錯綜、そんな感覚です。(渡辺研一郎)
(歌:鏑木綾 ピアノ/コーラス:渡辺研一郎)
【雨降りお月さん〜企風第二版〜】
野口雨情作詞・中山晋平作曲の童謡「雨降りお月さん」を、歌、ピアノ、そして雨の音を交えてアレンジした作品です。2020年6月21日にYouTubeに投稿した「友の企を友と共に on the radio」の中でも「雨降りお月さん」の企アレンジバージョンを発表しましたが、今回はそれを更にアレンジしました。
オリジナルの演奏(1929年、歌:佐藤千夜子)を聴くと、ヴァイオリンが交じっていてほのぼのとしたカントリーミュージック風の印象を受けますが、このアレンジは、雨情の詩から感じられる孤独・神秘・色気、といった情感を踏まえています。「童謡」という言葉に隠れてしまっていたムードかもしれません。(渡辺研一郎)
(歌:企 ピアノ:渡辺研一郎)
企オリジナルの楽曲と、日本の童謡の企アレンジ作品を集めたコンサートを、メンバーによるラジオテイストでお送りします。
企として楽曲制作やアレンジを行いたいと思うようになったのも、この数ヶ月の社会状況の変化によって、私たちの創造意欲が掻き立てられたからでした。
オリジナル楽曲の作詩は鏑木と田村が担当し、initium ; auditoriumのキーワードである「遷」をテーマにしています。作曲とアレンジは渡辺が担当し、声の多重録音の他、ピアノの多重録音や内部奏法などを行っています。(渡辺研一郎)
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