この作品は2019年ウィーンで行われた現代音楽・実験音楽を集めた音楽祭 “Sounds Around Me”で初演された。初演当時は４８のスピーカーが使われ、幽体の鳥の表現した様々な音（羽ばたき、鳴き声等）を含むエレクトロニクスを、チェロのライブパフォーマンスに合わせて自由自在にコントロールすることで、音を会場に拡散・放散した。チェロとエレクトロニクスは互いの歌をリフレクトし、まるで会話をするように曲は進む。エレクトロニクスを時間軸を持つ音響彫刻として捉え、実体を持たない鳥を会場に飛ばす、という新しい音楽の形を問う挑戦である。今回、有観客としては日本初演。（向井）

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