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不思議なスネアドラム 2

澤田守秀

自分の音楽を多くの方にアピールしてゆく可能性と、視聴者がちょっと変わった音楽のあり方に気付いてゆく可能性を「ひらく」ことを意識しました。自分はロック出身ですが、最も影響を受けたのはシャーマニックな民俗音楽やミニマルトランスです。そのバックボーンにユーモアやギャグを加えて印象を軽くし、親しみやすいショートムービーにしました。全曲、一つの同じスネアドラムで演奏された自作自演によるオリジナル作品です。そこにある自由な発想をお楽しみください。

「不思議なスネアドラム 2」part 1

introduction(0:00~)
冒頭で登場する「すねあん」はこのショートムービーの超監督です。数年前、阿佐ヶ谷ジャズストリートのイベントに参加した時、主催者さんが作ったチラシに、ぼくの写真と共にこのイラストが掲載されていました。聞けばフリー素材だとの事なので「何かに使えるかな?」と思ってコピペしておいた次第です。自分の音楽制作は、どちらかというと内向的でマニアックな世界へ向かいがちなのですが、彼によって外界へのつながりを意識しやすくなっています。ここではイマジナリーフレンドの様な存在として扱っています。

1 北翔 / Hokusho(3:16~)
民俗音楽への憧憬が深く現れた作品です。前半部分と後奏はエスキモーの音楽から、中間部はハイチのヴゥードゥー教の音楽からインスパイアされていて、そのセンスを自分なりに再構成して作った曲です。ミニマルなフレーズを長い間聴いていると倍音の動きにも耳がいくようになります。この曲に限らず、そうした気づきは曲を作る上でのヒントになっています。ライヴ演奏の場合、演奏する部屋によって強調される倍音が変わり、その響きは演奏にもフィードバックされてゆきます。

2 緩やかな直線 1/ Floating Straights part 1(11:55~)
例えば海岸線は遠目には直線的に認識できますが、定規で書いた直線とは明らかに異なります。そんな思いつきからイメージを広げつつ、更にユーモラスなアレンジを加えました。フンデルトヴァッサーは「直線に神は宿らず」と言いましたが、PC処理が当たり前となった現在では「直線に宿るのは人だ」という声もあります。その対比自体、熟考する価値があるかもしれません。2021年5月現在 part 3まで書かれていて、3曲を続けて演奏する形態も考えています。今回はそのうちのふたつを収録。

3 近よってはいけない / Don't approach(13:14~)
2021年1月に見た野見山暁治さんの作品からタイトルを拝借しました。演奏時に着ているこのTシャツがその絵です。(笑) ・・・ですが、この曲名は後付けです。もともとは、数年前モスクワのノイズ系フェスティバル(割と反体制的な)での演奏中に即興で思いついたフレーズを、後日に膨らませていった曲です。そうした背景もあって爆発しそうなエネルギー感を表現しようとしています。映像として残すテイクとしてはかなり荒さの目立つ演奏を収録していますが、その分ロックなテイストを感じていただけたら幸いです。

4 トランセェント / Transient(19:15~)
断片的に収録したフレーズをDTMソフトAbleton Live上でコラージュして作った作品。録画をしている時には完成形があまり見えておらず、コラージュしてゆく過程で偶発的に生まれてくる面白さを生かしながら曲を作りました。演奏同様に映像も自由にコラージュしています。偶然なのですが、この曲に限らず今回の作品の中では鳥さんが良い演技をしている場面がいくつかあります。メシアンも、夕焼けや朝焼けが美しい時はそれを見ている鳥の鳴き声も美しくなると語っていた様に記憶しています。

5 緩やかな直線 2/ Floating Straights part 2(25:38~)
概要はpart 1と同様なのですが、実は、これも前述したモスクワのフェスティバルでの演奏中に思いついたフレーズから作った曲です。元々はもっとダークな印象の演奏でした。ちなみに、このモスクワでの演奏は、今後ライヴCDとして発表される予定です。

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「不思議なスネアドラム 2」part 2

6 スネアドラムソロの可能性 2 / so many possibilities in the future what a wonderful snare drum 2(0:00~)
(電気処理 / with Electrics )
急 - 緩 - 急の3部から成ります。「トランセェント / Transient」同様、断片的なフレーズをコラージュして作った作品ですが、こちらは電気的なエフェクト処理も多用しています。また、ほとんどのフレーズは録画時に♩= 138のクリックに合わせて演奏されています。自分にとってはもっともグルーヴ感を出しやすいテンポで、テクノも意識しています。ただ、機械的なクオンタイズ処理はあまり行わず、演奏上の自然なズレを生かす事で民俗音楽に感じられるような人間味のあるリズムアンサンブルを目指しました。第2部でコラージュしている映像は20年以上前に8mmフィルムで撮った物です。また、この曲の冒頭(と第3部の冒頭)で使われている逆回転による音は、今回の作品の中で唯一スネア線を張った状態で発せられた音です。蛇足となりますが、タイトルロゴとして作った虹のような画面(扉絵)は、某アニメ作品のアイキャッチがモデルとなっています。

epilogue(9:22~)
追い出してしまった「すねあん」が気になり、探しに行きます。

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Interview(22:13)

不思議なスネアドラムのお話し / Interview and Mini Gallery

Program

Total
1:01:16

Artists

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不思議なスネアドラム 2

澤田守秀

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