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Improvisation for Sen

根本真澄, 薄木葵

既存の作品ではなく、その場で生まれた音を聴き、空気を感じ…その一瞬でしかできない即興演奏という音楽の創造を、互いに心から愉しみ演奏しました。
この作品を聴いて、風景や匂いなど五感をフルに拓いて感じてもらえたら、それ以上に嬉しい事はありません。聴くたびに“移り変わりゆく”、新しい色が垣間見れる...そんな作品であれるといいなと思います。
即興とは“音と音がその場で出会う”こと。それが、auditoriumという美術館-予想だにしない出会いがある場所-に展示される喜びを、[遷]という言葉に捧げます。

[遷-transition-]- 移ろいゆく時と遷という概念を表現するだけでなく、“sen”という響きからも着想を得たことから、【impovisation for SEN】と名付けた。

後半には即興で付けられた日本語の歌詞が歌われる。即興の演奏において言葉というのは非常にイメージを植え付けやすい。そのため今回の作品では敢えて“聴き取れない”箇所をつくったりと、言葉の明瞭さをグラデーションさせていった。例えば「水」といえば、水の音や色や匂いを想像することが容易に出来てしまう。それはつまり、共に演奏している奏者にその言葉のイメージで縛り付けてしまうことにもなりかねない。言葉を変遷させていくことで、言葉ひとつひとつに縛られない演奏ができるようにと考えた。

対してピアノはというと、終始“ピアノという器楽的な装い”を崩さなかった。鍵盤楽器ゆえに描ける明確な図形や、不規則だが明瞭な点と線などの図形的な要素を多用した。音程を自ら変える事が出来ないから“こそ”為せる要素を散りばめ、一見不自由な中に在る自由を引き出そうと考えた。

senという言葉の発音やそれから受ける勢い、変化しながらも前進していく明るさをイメージしていた根本に対し、薄木は全く対照的に、訥々とした語り口や明るくありたいという願望の中に渦巻く暗さをイメージしていた。結果として出来上がったのが、
 【”sen”という「形」(improvisation for SEN -another)】
そして
 【ふたりのsenが融合した”sen”(improvisation for SEN)】
である。

全く対極の印象やイメージを持っていた2人の考え同士が、言葉と言葉とを交わしあう中で、なによりも1曲を発現させようとする過程で、互いに触発され、変遷していった。

生きるということは変遷していくこと。変遷することは即興演奏そのものという意識が奏者2人に共通する認識であった。

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32:47

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Improvisation for Sen

根本真澄, 薄木葵

既存の作品ではなく、その場で生まれた音を聴き、空気を感じ…その一瞬でしかできない即興演奏という音楽の創造を、互いに心から愉しみ演奏しました。
この作品を聴いて、風景や匂いなど五感をフルに拓いて感じてもらえたら、それ以上に嬉しい事はありません。聴くたびに“移り変わりゆく”、新しい色が垣間見れる...そんな作品であれるといいなと思います。
即興とは“音と音がその場で出会う”こと。それが、auditoriumという美術館-予想だにしない出会いがある場所-に展示される喜びを、[遷]という言葉に捧げます。

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