惠津 愛美
フルート
「アンダンテとロンド」という名称で長年親しまれてきたフランツ・ドップラーの作品25番。
近年、この作品25番の1.2楽章がショット社から発見されたことはご存知でしょうか。
今回は新楽章を含めた作品25番の全貌をお届けいたします。
通常はフルート2本で演奏されることが多いですが、新しい音をひらく、ということでフルートとヴァイオリンでのアンサンブルとなりました。
フランツ・ドップラーは、1825年ハンガリー生まれの作曲家、フルーティスト、指揮者です。
素晴らしいフルート奏者であり、ウィーン宮廷歌劇場の主席奏者、ウィーン音楽院の教授を務めました。
彼には4歳下のカール・ドップラーという弟がおり、彼もまた演奏、作曲ともに素晴らしい才能を示しました。
兄弟によるデュエットでの演奏旅行でヨーロッパ中を巡り、大変人気を集めたドップラー兄弟。
アメリカ国歌や民謡など様々なものをテーマとし、自身の華麗な技巧を示すようなフルートのレパートリーを数多く残しています。
この、2本のフルートとピアノのためのソナタOp.25もその作品の1つです。
当初はソナタとして4楽章から成り立っていました。
しかし楽譜原稿に記入されたメモにより、最後の2楽章のみが印刷されたそうです。
なぜ1.2楽章が外されたのか、はっきりとした答えはわかりませんが…
この失われた楽章がショット社のアーカイブより見つかったことで2018年に新版として出版されました。
1楽章 Moderato
オクターブの跳躍が大変印象的な1曲。
3楽章のアンダンテと近い雰囲気を感じます。
オクターブの動機での掛け合いから徐々に激しく、舞うような3連符で技巧的に展開されていきます。
演奏時間は8分近く、堂々と曲の始まりを飾っています。
2楽章 Menuetto
激しいですがどことなく哀愁のあるメヌエットです。
トリオは1転して美しく伸びやかな旋律で、対比が大変面白い楽章です。
3楽章 Andante
ここからは聴き慣れたメロディになる方も多いはず。
冒頭のピアノのソロから、大変情感豊かに歌い上げる楽章です。
ロマンティック、でありながらドラマがあり、1stと2ndのフレーズが見事に絡み合います。
4楽章 Rond
ハンガリーが活動の中心であったドップラー兄弟のルーツが見え隠れする楽章です。
ジプシーダンスのような躍動感あるリズムに乗せて、2つの旋律がアンサンブルを奏でます。
一度聴いたら魅了される、大好きな楽章です。
「アンダンテとロンド」という名称で長年親しまれてきたフランツ・ドップラーの作品25番。
近年、この作品25番の1.2楽章がショット社から発見されたことはご存知でしょうか。
今回は新楽章を含めた作品25番の全貌をお届けいたします。
通常はフルート2本で演奏されることが多いですが、新しい音をひらく、ということでフルートとヴァイオリンでのアンサンブルとなりました。
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