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マンハイム楽派の室内楽 - カール・シュターミッツのヴィオラ二重奏曲

矢崎裕一

現在ドイツ南西部マンハイム在住のヴィオラ、バロック・ヴィオラ奏者の矢崎裕一が、18世紀にこの地で栄えたマンハイム楽派の室内楽作品をピリオド・アプローチの演奏、そして多重録音で届けします。画面ではマンハイム、その近郊の街のシュヴェッツィンゲン、ハイデルベルクのマンハイム楽派ゆかりの地の映像をお楽しみください。

マンハイム楽派とは18世紀中頃のドイツ南西部の街、マンハイムで活躍したヨハン・シュターミッツ(1717-1757)を筆頭にした作曲家達を指します。ボヘミア出身の彼は1741年にマンハイムの宮廷楽団のヴァイオリン奏者として雇われ、1743年にはコンサートマスターに就任、そして1750年に宮廷楽長の地位を得ます。1743年にカール・テオドールがプファルツ選帝侯を継承。文化や学術の振興に非常に熱心であったら彼はヨハン・シュターミッツの才能を非常に高く評価し、また宮廷楽団にも多くの私財を投じヨハン・バプティスト・ヴェンドリング、アレクサンダー・ルブラン、イノツェンツ・ダンツィなど各地から優れた音楽家を集め、この楽団は最高水準のオーケストラと評される様になります。

今日お届けする作品の作曲家であるカール・シュターミッツは、ヨハン・シュターミッツの息子で1745年にマンハイムで生まれました。父から音楽教育を受けて育ち、父の死後はイグナツ・ホルツバウアー、クリスチャン・カンナビッヒといったマンハイム楽派の音楽家の教育を受けます。1762年に17歳でマンハイム宮廷楽団の第2ヴァイオリン奏者に就任し1770年までその職を努め、その後は作曲家、またヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオラ・ダモーレのソリストとしてヨーロッパ各地で活躍しました。

カール・シュターミッツ(1745-1801)
ヴィオラ二重奏曲 第1番 ハ長調
1. Allegro
2. Andante
3. Rondo

この作品は、6曲からなるヴィオラ二重奏曲集の第1曲です。作曲年代はわかっていませんが、作品のスタイルや演奏の難易度などから考えると、カールのマンハイム時代のものではないかと推測する事ができます。また彼の5才年下弟、カールと同じく若くしてマンハイムの宮廷楽団のヴァイオリン奏者として活躍したアントン・シュターミッツと弾く為の曲、そして「ハウスムジーク(Hausmusik)」と言われるプライベートの小さな空間での演奏の為だったとも想像する事ができます。2つのパートが交互にメロディーを弾く様子が音楽による親密な対話の様であり、和声、旋律、曲の構成の非常にシンプルな美しさが印象的。弾く側、聞く側ともに肩の力を抜いた愉しさが魅力的な作品です。

今回はこの作品を、以下の点で当時のマンハイムのスタイルを目指した演奏でお届けします。まずはマンハイムで使用していた管楽器やお城のオルガンなどから推測される当時のピッチであるA=432Hz。バロックからモダンのタイプへの移行期となるタイプの、マンハイム(もしくはパリ)で初めて製作されと言われるクラシックタイプの弓。そして弦はもちろんガット弦を使用しての演奏です。

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25:43

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マンハイム楽派の室内楽 - カール・シュターミッツのヴィオラ二重奏曲

矢崎裕一

現在ドイツ南西部マンハイム在住のヴィオラ、バロック・ヴィオラ奏者の矢崎裕一が、18世紀にこの地で栄えたマンハイム楽派の室内楽作品をピリオド・アプローチの演奏、そして多重録音で届けします。画面ではマンハイム、その近郊の街のシュヴェッツィンゲン、ハイデルベルクのマンハイム楽派ゆかりの地の映像をお楽しみください。

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