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ブレヒト・ソングとその周辺~娼婦たちの挽歌~

小阪亜矢子

詩人・劇作家ブレヒトのテクストによる歌、通称ブレヒト・ソングを中心に、ヴァイルとアイスラーの劇中歌を集めて歌芝居の形にまとめました。収録曲:「ユーカリ」「バルバラ・ソング」(ヴァイル)、「自殺について」(アイスラー)他。共演:安田正昭(ピアノ) 録音・録画:2019年11月3日ACTサロン「自由が丘音楽祭」にて

2017年から毎年秋に行われている「自由が丘クラシック音楽祭」の2019年アーカイヴより。

詩人・劇作家ベルトルト・ブレヒト(1898-1956)のテクストによる歌、通称ブレヒト・ソングを中心に、ブレヒトと多く協働したクルト・ヴァイル(1900-1950)とハンス・アイスラー(1898-1962)の作品を集めた。曲はほとんどが劇中歌だが、他の舞台作品への置き換えが可能というソングの特徴を生かし、「娼婦たちの挽歌」と題してソロ・シアター・ピース、すなわち一人歌芝居の形にまとめた。舞台を構成するのは言語も作曲年も異なる8曲だが、共演の安田正昭氏による色彩豊かで芝居に完璧に寄り添うピアノの助けによって、あたかも1つの組曲であるかのように機能している。

コロナ禍以前の演奏記録だが、歌に見え隠れする生と死、希望と絶望、女性の抑圧と解放といったテーマを今改めて問い直してみたいと思い、今回の映像化に至った。旅行鞄に入りきるだけの小道具、あるいは人生を詰めて旅する女歌手の姿は、2021年現在の苦境を生きるアーティスト達の姿と重なりはしないだろうか。美術展の大作の間にひっそりと佇むドキュメンタリー映像のようにご視聴いただければ幸いである。

映像公開に当たり、毎年音楽祭の貴重な機会を与えて下さり、また今回の映像・音源を快くご提供下さったプロデューサーの小林洋子さん、アシスタント・プロデューサーの林秀樹さんに心より感謝申し上げます。(小阪亜矢子)

収録曲
※断りのないものはベルトルト・ブレヒト (1898-1956)の詩による。

クルト・ヴァイル(1900-1950)
①私は船を待っている《マリー・ガラント》 (1934) より 詩 : ジャック・ドゥヴァル (1895-1972)
②バルバラ・ソング 《三文オペラ》 (1928) より
③スラバヤ・ジョニー 《ハッピー・エンド》 (1929) より
④愛してなんかない (1934) 詩 : モリス・マグレ (1877-1950)
⑤アラバマ・ソング 《マハゴニーの興亡》 (1930) 

ハンス・アイスラー (1898-1962)
⑥自殺について《ゼチュアンの善人》 (1939)より
⑦花園にて (1954) クルト・ヴァイル

クルト・ヴァイル
⑧ユーカリ (1934) 詩 : ロジェ・フェルネ (1905-1983)

Songs
The lyrics are written by Bertolt BRECHT (1898-1956) except 1, 4, 8

Kurt WEILL (1900-1950)
1. J’attends un navire «Marie Galante» (1934)
Lyrics : Jacques DEVAL (1895–1972)
2. Barbara Song «Die Dreigroschenoper» (1928)
3.Surabaya Johnny «Happy End» (1929)
4. Je ne t’aime pas (1934)Lyrics : Maurice MAGRE (1877-1950)
5. Alabamasong «Aufstieg und Fall der Stadt Mahagonny» (1930)

HannsEISLER (1898-1962)
6. Überden Selbstmord (1939) «Der gute Mensch von Sezuan»
7. In derBlumengarten (1954)

Kurt WEILL
8. Yukali(1934) Lyrics : RogerFERNAY (1905-1983)

共演:安田正昭(ピアノ)
1967年東京生まれ。5歳よりピアノを始める。
83年東京藝術大学付属音楽高校に入学。84年同高校在学中、第30回マリア・カナルス国際コンクール・ピアノジュニア部門に優勝。
86年東京藝術大学に入学、同年マントヴァフェスティバルに招かれリナルド・ロッシ賞を受賞。88年パリに留学。パリ・エコール・ノルマルのピアノ科高等演奏資格を取得後、パリ国立高等音楽院に入学。ピアノ科、伴奏科、室内楽科各々を、プルミエ・プリを得て卒業。
89年第1回パリ・スタインウェイ・ピアノコンクール優勝。90年フランス国際コンクール、ピアノ部門優勝。モーツァルト特別賞、メシアン特別賞を受賞。92年第6回マルサラ国際ピアノコンクール第5位入賞。95年第24回セニガリア国際ピアノコンクール第4位入賞。96年第10回J.S.バッハ国際コンクール(ライプツィヒ)ファイナリスト。
94年1月に津田ホール、同年7月及び95年1月に浜離宮朝日ホールと3回にわたり、《メシアンに恋して》と題したメシアンプログラムを中心に公演を行い高い評価を受ける。
03年4月、パリから東京へ拠点を移す。08年にはメシアン生誕100年を記念して、ピアノ・ソロ作品連続演奏会を3回にわたって開催する。
そのほか、故諸井誠氏と朝日カルチャーにてベートーヴェンのピアノソナタ全曲講座に演奏出演、毎年2月には東京文化会館にてリサイタルを行っている。10年より毎年ベルリン在住の新井眞澄と「ピアノデュオ-東京 ベルリン」にて共演、東京とベルリンでコンサートを持つ。16年6月にはメシアンの大作、トゥランガリラ交響曲をすみだトリフォニーホールでオーケストラと共演。17年の東京文化会館小ホールでのリサイタルではストラヴィンスキーやベートーヴェン=リスト「英雄」と並んでラヴェル「クープランの墓」の名演を聴かせた。
青木章子、坂井玲子、中山靖子、安川加寿子、ピエール・レアック、イヴォンヌ・ロリオ・メシアン、ミシェル・ベロフ、ブルーノ・リグットの各氏に師事する。現在上野学園大准教授。

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36:18

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小阪亜矢子

詩人・劇作家ブレヒトのテクストによる歌、通称ブレヒト・ソングを中心に、ヴァイルとアイスラーの劇中歌を集めて歌芝居の形にまとめました。収録曲:「ユーカリ」「バルバラ・ソング」(ヴァイル)、「自殺について」(アイスラー)他。共演:安田正昭(ピアノ) 録音・録画:2019年11月3日ACTサロン「自由が丘音楽祭」にて

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